| 株式相場は小幅安で始まった後、下げ幅を広げた。引け後に主要企業の先陣を切って決算を発表した非鉄大手アルコアが、業績悪化懸念などから通常取引で大幅安となった。金融機関が投資判断を引き下げたと伝わったことも嫌気された。原油相場が続落したことを受け、石油株も下げた。
前週末、モルガン・スタンレーに個人向け証券業務売却することを検討していると報じられたシティグループが急落。12日付のウォールストリート・ジャーナル紙が10―12月期決算で損失が市場予想以上に膨らむ可能性があると報じたことも売りを誘った。CFDの厳しさが意識され、金融株はほぼ全面安となった。上値の重さが意識されたこともあり、相場は午後に一段安となった。(
主要商品の取引価格で構成する日経商品指数(1970年平均=100)が急落している。国内景気と相関性の高い前年比騰落率は17種の昨年末値がマイナス25.1%と、アジア通貨危機に国内金融危機が追い打ちをかけた98―99年時の下落率も超えた。今後、鋼材などの値下がりは指数下落を加速する可能性がある。第1次石油危機後に記録した過去最大の下落率(29.4%)さえ上回りそうな気配だ。
月末値ベースで見た17種の前年同月比騰落率は2002年の景気拡大からプラス(前年より上昇)を維持。軽い後退局面入りとの観測さえ出た2回目の「踊り場」でも05年5月のプラス1.3%で踏みとどまった。しかし今回は米リーマン・ブラザースの経営破綻をきっかけに金融危機が実体経済に波及。8月末のプラス21.5%から急落が止まらず、10月末値で42種とともにマイナス(前年より下落)に転じた。
日経商品指数から景気動向を読む場合に水準は関係なく、勢い(騰落率)の変化を見る。内閣府が景気動向指数の日経225に採用している42種も騰落率の変化で改善、悪化を判断する。17種の過去の推移を見るとアジア通貨危機に山一証券や北海道拓殖銀行の経営破綻が重なり、97年10月から99年いっぱい続いたマイナス局面で、下落率は99年1月に16.8%、42種も13.5%に達している。ただマイナス幅が縮小しても景況感は改善するため、この時は99年1月が底になり、IT(情報技術)バブル崩壊前の2000年1―2月には17種も水面上に顔を出した。
ところが今回の下降局面でまだ底は見えない。17種の昨年末値の前年同期比下落率(25.4%)は、プラザ合意後の円高不況に原油価格が1バレル10ドル以下に急落した局面の86年7月末値(マイナス27.6%)に迫る。第2次石油危機後の下落はピークの81年2月でもマイナス20.5%とそれほど深くなく、86年水準を超えると第1次石油危機の反動で急落した74年12月末値のマイナス29.4%が視野に入る。プラス20%を超す高水準からわずか4カ月でくりっく36520%超へという変化の大きさといい、米国の住宅・証券化バブルの崩壊が招いた実体経済への影響が既に驚異的な大きさであることが日経商品指数の動きでも分かる。
昨年は原油価格が1月に初めて1バレル100ドルを突破してから7月の147ドル台まで急騰を続け、17種も7月の185台まで上昇した。原油や穀物価格が現状で下げ止まったとしても、日経商品指数は昨年前半との比較で夏まで下落率の拡大が続く公算が大きい。しかも自動車や家電向けの需要減少とアジア、中東の大型設備稼働が重なる石油化学製品や、これまでの原料高で高止まりしていた鋼板が鉄鉱石の値下がりとともに今後下落する可能性は高い。
主要商品の値下がりは消費者物価の落ち着きや企業コストの軽減につながる半面、景気変化を半年ほど先読みする商品市況のベクトルは下落率が縮小するまで上向かない。日本経済は7―9月期までマイナス成長が続くと予想する三菱UFJ証券の水野和夫チーフエコノミストは「02年から輸出依存度を高めてしまった結果、海外変調に伴う量の減少と円高のダブルパンチが厳しい」と指摘する。個別商品ごとの振れはあったとしても、やはり商品価格は指数でならして見れば景気や経済構造の変化を如実に物語る。
ゴルフ会員権の取引価格が下落している。会員権売買仲介会社がまとめた全国平均価格は足元、バブル崩壊後の最安値を更新している。ゴルフ会員権相場は1980年代後半に急騰したが、バブル崩壊後の90年代に一変して急落、その後も低迷を続けていた。バブル後に付けた安値を下回ったことは、今回の景気後退局面の谷の深さを示しているようだ。
会員権仲介最大手の住地ゴルフ(東京・中央)によると、会員権の取引価格は12月下旬時点で174万円。2003年6月に付けたそれまでのバブル後過去最安値182万円を一段と下回り、最安値を更新し続けている。
地域別でみても、関東地区平均が178万円と03年6月の最安値(182万円)を下回ったほか、関西も159万円とバブル後安値を更新している。
桜ゴルフ(東京・中央)の調査でも関東地区平均はバブル以降の最安値を下回っている。
株価や地価の下落などによる資産目減りを受け、換金目的で企業が売却する事例が多くなっている。値上がりが期待できないと判断して個人客が投げ売りするケースもあるようだ。
ただ、個々のゴルフ場ごとにみると、立地などにより状況が異なる。首都圏では、都心から100キロ以上などと距離が遠いコースは売り一色だが、都心部に近い高額・名門コースは根強い人気がある。下落が実需を喚起している面もありそうで、特に東京よみうりカントリークラブ(東京都稲城市)などでは10月ごろから「割安感が出たとの見方から買い注文が入っている」(仲介会社)という。
プレー料金もゴルフ場の立地や条件により二極化が進んでいる。「東京都心から80―90キロ圏内は土休日で2万2000―2万3000円程度が主流」(桜ゴルフ)。バブル期に比べ2割程度安くなったものの、この数年は諸経費高騰を理由に小幅値上がりしたコースもある。ただ都心から100キロ以遠では値引きの動きが拡大し、土休日でも1万5000円を下回る事例が多い。
首都圏や近畿圏のガソリン販売激戦区で、レギュラー価格が1リットル100円の大台を割り込み始めた。幹線道路沿いでは90円台の看板がじわりと増えており、全国平均価格よりも20円ほど先行して下げている。
こうした価格は4−5年ぶりの水準。背景には原油価格の下落やスタンドの過当競争がある。激しい価格競争に敗れ、閉店する給油所も次第に目立つようになった。
最近店舗を閉めたあるスタンド経営者は「スタンドの将来に明るい希望を全く見いだせない」と力なく語る。若者の嗜好(しこう)の変化や都市への人口集中が進み、そもそも自動車が売れなくなっている。電気自動車が今後普及すれば、ガソリン需要減に拍車がかかりそうだ。
さらに、スタンドの仕事は「3K」職場とされアルバイト店員の確保もままならない店も。零細スタンドでは社長が「数カ月間、ほとんど休まずに働いている」というケースも珍しくない。ガソリンスタンドという業態そのものが、打開策の見えない孤立無援の状態にある。
都内の給油所店長は「価格競争でライバル店をつぶすしか生き残る道はない」と悲壮な覚悟を口にする。実際、都内の環状7号沿いなどでは、近隣の店が閉店したことで販売量が増加する給油所も出始めている。
石油元売り大手の新日本石油と新日鉱ホールディングスは4日に経営統合を発表。約1万4000店ある傘下の給油所を今後は15―20%減らす方針だ。つぶされまいと、同一ブランド内での「仁義なき戦い」が始まるのは避けられそうにない。
資源エネルギー庁によると、全国の給油所数は3月末で約4万4000店。ある大手元売り役員は「将来は2万店に半減する」と予測する。残存者利益の享受を目指し、スタンドの価格競争は一段と激しくなりそうだ。
鉄鋼業界が「3K不況」に突入した。「金融」不安で輸出が急減する一方、国内では「建設」の不振に「車」の減産が需要を先細りさせる。衝撃の度合いは日産自動車が調達先を絞った1990年代後半の「ゴーン・ショック」を上回りそうだ。
いち早く需要が鈍ったのが建設分野。昨年の改正建築基準法の施行に加え、鋼材高と住宅市場低迷が需要を冷やした。
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