| 今年に入りコメ国際相場の急騰など市場環境も様変わりしているが、コメ卸値急落を受けた場当たり的な対策ではなく、長期的視野に立った飼料米振興策を求める声が多い。そうでなければ自給率向上も一時的な現象になりかねない。
価格の低位安定から「物価の優等生」と言われた鶏卵にも、ついに物価上昇の波が押し寄せた。JA全農たまご(東京・新宿)など鶏卵大手はブランド卵の価格を1日から1パック(10個)あたり30円程度価格を引き上げた。一般卵も需要の落ちる夏場にもかかわらず異例の高値で推移している。
JA全農たまごの「しんたまご」などブランド卵は栄養価が高いなど高付加価値が売りもの。市場シェアは全国で3割強、監視カメラでは5割を超すとみられる。しかし価格は小売りとの年間契約が多く、価格上昇が目立つ一般卵より安くなる「逆転現象」も目立っていた。
卵には需要変化と生産者の増減産に伴う3―5年周期の価格変動と、年間の需給変動による「エッグサイクル」がある。一般に夏場は需要が落ち、1年を通じて最も価格が安い時期だ。しかし今年は一般卵の全農卸値が7月31日も1キロ195円(Mサイズ=1個の平均重量が61グラム)と前年同月平均を50円も上回った。
丸紅エッグ(東京・中央)の島田博社長によるとトウモロコシなど穀物価格の高騰が波及してブロイラーの飼料コストは過去2年で1キロ60看護師 求人している。さらに低迷した需要も年初の中国製冷凍データ復旧の中毒事件をきっかけに、弁当の総菜を冷凍食品から卵焼きに切り替える家庭などが増え、前年を上回っている。
鶏卵が物価の優等生と言われたのは転職サイトなどによる生産効率の向上と、90年代までの1990年代までの飼料価格の低位安定という2つの要素に支えられた側面が大きい。現在、2番目の要素=飼料コストは価格の押し上げ要因に変わった。
全農Mサイズの最高値は第2次石油危機時の1981年12月23日に記録した434円。同年は年間平均も342円を記録した。島田社長は「需要が伸びていた70年代と少子高齢化が深刻な現在は違うが、飼料価格の上昇が続けば300円台乗せはあり得る」と予想する。
銅加工品メーカーは燃料や副資材費の上昇を理由に加工賃の引き上げ交渉を進めている。主原料の銅の価格は建値に連動するが、加工賃は顧客と交渉して決める。需要が伸び悩んでおり、交渉の行方は楽観できない。
日本伸銅協会(東京・台東)によると2007年度の銅加工品の生産量は99万8000トンと5年ぶりに100万トンを下回った。需要減の一因は銅加工品の製品価格がこの数年、高値で推移していることにある。銅製品より安い樹脂製品などに切り替える需要家の動きもあった。
銅板や銅管などの東京の問屋価格は現在、軒並み3年前の2倍程度。値決めの指標になる国内製錬会社の銅地金の建値が上昇しているためだ。銅地金の建値は7月中旬で月平均1トン95万円程度と最高値圏で推移している。南米の鉱山のストライキを受けて国際価格が上昇し、建値も高止まりしている。
高値に加えて、07年は改正建築基準法の施行による住宅着工減で住宅向けの出荷が伸び悩んだ。08年度も景気後退を受けて住宅着工は依然として回復しないまま。水回りの金具に使う黄銅棒やエアコンに使う銅管の生産量は伸び悩んでいる。
ここにきて携帯電話やパソコンなどの生産調整の影響も出始めている。電子部品に使うリン青銅や銅と亜鉛の合金である洋白板の問屋への受注は落ち込んでいる。
メーカーとしては加工賃の引き上げが浸透しないと収益が改善されないのも事実。ただ、北京五輪後の需要の冷え込みも懸念され、銅条や黄銅条を使う自動車も生産計画の見直しが進んでいる。メーカーが狙う加工賃の引き上げは一筋縄ではいかなそうだ。
いよいよ夏休み到来。ガソリンは7月下旬から8月末にかけ、1年を通じての最需要期を迎える。ただ首都圏の給油所の店長たちの顔色は一様にさえない。価格の高騰を受けた買い控えで販売量が大幅に落ち込んでいるからだ。
石油情報センターが16日にまとめた14日時点のレギュラーの給油所店頭価格(全国平均)は1リットル181.3円。前年同時期に比べて3割も高い。都内で「1リットル184円」の看板を掲げる新日本石油系の給油所店長は「前年に比べて販売量が2割ほど減っている。夏休みも似たような状態が続くだろう」とあきらめ顔だ。
全国の給油所数は2007年度末時点で約4万4000店。1994年度末に比べ3割弱も減ったうえ、「7割が赤字」とも言われる。国内市場が縮小するなかで過当競争に陥っており、原油価格の高騰分を店頭価格に転嫁し切れていないからだ。
首都圏で4店を運営していた小規模の石油販売会社は今年3月と6月に相次ぎ店舗を閉めた。同社の社長は「続けていても赤字が増えるだけ。残りの2店舗もどうなるかわからない」と寂しげに語る。
原油高で「レギュラー200円」が目前に迫る一方、価格競争も激しくなっている。神奈川県の国道16号沿いの給油所は7月初めに182円に上げたレギュラー価格を、10日間で178円まで下げた。採算は厳しいが、店長は「販売量をある程度確保するためには仕方ない」と苦渋の表情だ。
ある石油業界関係者は「この夏場の最需要期の売れ行きが、今後の給油所の販売姿勢を左右する」と指摘する。消費者が高値を受け入れて量がそこそこ売れれば値下げは沈静化するが、大幅な販売減となれば値下げ競争で淘汰が加速する、との読みだ。給油所はどちらの道を選ぶのか。答えは遠からず出る。
原油相場が青天井で上昇している。「投機悪玉論」がしきりに聞かれるが、マネーは値動きを増幅させているに過ぎない。原油が買われるのは理由があるからだ。問題は将来の供給不足懸念もさることながら、消費国に市況を冷やそうという姿勢が乏しい点にあるのではないか。マネーはそうした政策のスキにつけ込んでいるように思う。
消費国の政策で疑問に感じるのは国家備蓄放出に消極的なことだ。米国は同時テロ以降、戦略石油備蓄(SPR)の積み増しを進め、現在の在庫量は約7億バレルと過去最高水準だ。数%取り崩せば需給への影響はあるはずだし、取り崩しを示唆するだけでも市場心理への影響はあるはずだ。ブッシュ政権は備蓄積み増し停止を発表したが、放出には動こうとしない。
サウジアラビアを除く中東産油国の増産余力は乏しく、新興国の需要を抑えるのは難しい。米国や日本など先進国が原油高対策に動くべきなのに、備蓄確保にこだわり、かえって供給懸念を強めているようにみえる。
原油高の一因とされるドル安についても、米国がどこまで危機感を持っているか疑わしい。米国にとってドル安は輸入物価の上昇につながる半面、穀物や自動車の輸出促進につながる。貿易赤字縮小という側面も考えれば、ドル安をさほど深刻な危機と受け止めていないのかも知れない。
消費国の政治家からは、原油高について現状分析や責任転嫁の発言が目立つ。自ら本気で対策を示さない限り、市場になめられるばかりだ。
自動車用タイヤなどに使う天然ゴムの相場が国内、海外ともに過去最高値圏で推移している。東京で起きた海外ファンドの仕掛け的な買いが、巡り巡って主産国タイの農家の原料売り渋りを呼び、供給不安をあおったためだ。
天然ゴム先物を扱う主要な商品取引所はアジアに2カ所ある。東京工業品取引所とシンガポール商品取引所(SICOM)だ。どちらもRSS3号が指標となっている。東工取市場は商品取引会社や海外ファンドなどが参加しており、流動性が高いのが特徴だ。SICOMは実需筋の参加が多いとされ、実際の需給環境を映しやすいとの見方がある。ただ、実際は同じ品目を上場しているため、裁定が働きやすく、どちらか一方がもう片方と大きく離れた相場を形成することは少ない。
今回の天然ゴム高騰を主導したのは東工取市場とされる。先高観を感じ取った海外ファンドが大量の買いを入れ、大幅上昇につながった。
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