外貨建て債権


今回の東京会合では、日本商社などにも発言権が与えられた。しかし、実際には発言はほとんどなかったという。有数の扱い量を誇る大手商社からは「自然保護団体から攻撃を受けて企業イメージが落ちることは避けたい。ほどほどの価格上昇でおさまる漁獲規制になってくれれば」。そんな本音の声が漏れているという。 ウズラの卵は小粒で、納豆と混ぜたり、ざるそばのタレに入れたりするのに手ごろな食材。現在スーパーの店頭では、大体1パック(10個入り)で90―100円で売っている。これが4月以降は10円強、値上がりする公算が大きい。仕事・出荷会社が値上げに動いているためだ。履歴書では1パック当たり13円前後の引き上げを求めている。 ウズラの卵の卸値は2001年以降、ほぼ横ばいで推移してきた。ただ2月以降、上昇基調を強めており全国最大の豊橋市場では6%、東京市場でも7%上がった。値上がりの最大の要因は穀物高だ。豊橋養鶉(ようじゅん)農業協同組合は「飼料価格が4年間で5割強上がり、値上げしないと農家の経営が成り立たなくなる」と説明する。「ヒナを育てるための暖房用灯油も倍の値段になった」ため、生産農家の数自体が減っている。 国内でのウズラ飼育数は1990年代には約800万羽だったが、現在は600万羽程度に減った。供給が締まっていることもあり、今回の値上げは店頭にも浸透するとみられている。ゆで卵などとして外食・総菜店や学校給食向けに加工して出荷する業務用は、昨秋に3割近く値上げしている。 投機資金の流入もあって穀物や原油の国際価格が上がり、農家の経営を圧迫しているのは牛や豚、鶏など畜産全般に共通する課題だ。値上げの動きはさらに広がるとみた方が良いだろう。大豆や輸入するソバの実も値上がり傾向にあることを考えれば、納豆やざるそばの値上げも考えられる。気が付いたらそば店や定食屋の価格がちょっと上がっていた、という日が近づいているのかも知れない。 ニューヨーク原油相場が1バレル100ドルを突破し、騰勢を強めている。米国など消費国は増産を渋る石油輸出国機構(OPEC)を批判するが、原油高の震源地は産油国でも新興国でもなく米国だ。米連邦準備理事会(FRB)の度重なる利下げがドル安を促し、年金基金などのマネーをドル資産から原油など国際商品に呼び込んだ。 気になるのは米国の政策が原油高の主因であるオンラインゲームに対して寛容にみえる点だ。ネットキャッシングFRB議長はインフレ懸念が強まっているにもかかわらず追加利下げを示唆している。ブッシュ大統領も戦略石油備蓄の取り崩しなどの原油高対策に自ら動こうとしない。 FRB議長はドル安が貿易赤字縮小につながるとの判断を示している。ガソリン高で苦戦している米自動車産業などにとって輸出面の恩恵は大きい。それ以上に見逃せないのが原油高とドル安が米国の農産業にプラス効果をもたらすことだ。 米国では高値の続くガソリンの代替燃料として、トウモロコシ由来のバイオ燃料、エタノールの需要が急拡大している。原油相場が上がるほどエタノールの競争力が高まって穀物需要が拡大し、農家の収益が潤う。ドル安も米国にとって農産物の輸出増につながる。 ドル安と原油高の同時進行は世界経済における米国の影響力低下を印象づけた。だが米国には原油に勝るとも劣らず重要な穀物資源がある。中国などが穀物輸出を抑制すれば、需要国は米国への依存度を一段と強める。米国がドル安・原油高に寛容にみえる背景には、こんなしたたかな読みもあるのかも知れない。 海運大手、商船三井の財務部が「船種別海運市況の相関関係と商船三井の事業リスク分散」というリポートをまとめた。昨年は鉄鉱石などを運ぶばら積み船の運賃や用船料が急騰し、今なお歴史的な高値水準にある。株式市場で海運株が物色されただけでなく、輸入経費が上昇した大豆など商品先物市場の相場をも動かす材料となった。いずればら積み船運賃が下がれば、同社の業績も悪化するのではないか、との見方を否定するのがこのリポートの趣旨だ。 要旨を紹介するとコンテナ船、ばら積み船、タンカーなど同社が展開する様々な貨物船運賃は個別にみると市況性が強いが、それぞれに相関関係はなく、ある船種の市況が低迷しても他の分野がカバーし、常に安定した収益が確保できる企業体質になっているというものだ。市況変動の激しい短期契約運賃ばかりでなく、安定利益が見込める長期契約の事業も多い、としたうえで過去5年間の運賃や業績データをもとに検証している。 同業の大手よりもばら積み船など不定期船の事業依存度が高く、内外の社債格付け機関などが「市況産業」という概念にとらわれて、過小評価しているのではないか。さらに最近は最大手の日本郵船が陸上の物流業務や子会社の貨物専門航空会社、日本貨物航空を抱え事業を多角化しているのに対し、商船三井は海運業偏重の「一本足打法」と批判する向きもある――というのがリポート作成の動機、と同社財務部は説明する。 確かに過去の海運の歴史を振り返ればばら積み船市況は1―2年の好況の後に7―8年の低迷の時期が続くことが多かった。四半世紀近く前には小型ばら積み船を大量に建造した海運会社が経営破綻した事例もある。 同社のリポートはそうした見方に対し、データを積み重ねて反論したものだ。海運といっても連結対象会社を含めれば、旅客船、フェリー、自動車専用船など様々な事業がある。実際、今はコンテナ船やタンカーが苦戦しているが、ばら積み船が巨額の利益(2008年3月期の第3四半期までの累計経常利益で2050億円)をあげている。 一方で、社内からは外航ばら積み船の短期契約運賃指標であるバルチック海運総合指数が少しでも低下すると商船三井株が売られ、時価総額が揺さぶられる現状に対する不満の声も聞こえてくる。 さきにあげたばら積み船の変動パターンも含め、これまで語られてきた海運市況は過去の経験則に基づくものが多い。今回のリポートはデータを積み重ねて検証を試みた点で海運市況をみる物差しをつくろうという点では興味深い。 もっとも運賃・用船料だけの変動を分析した今回の検証はさらにレベルアップの余地がありそうだ。運賃に輸送量、輸送距離の要素を加味した検証がなされれば、さらに説得力を増すだろう。またコンテナ船運賃は今秋以降、欧州航路など主力航路で運賃同盟の独占禁止法の適用除外の見直しが始まる。ばら積み船は最近、運賃先物(FFA)の相場変動が実際の運賃市況にも大きく影響するようになっている。こうした状況変化を踏まえた多角的な市況分析ができれば、荷主や株主など関係者にもさらに説得力のある説明ができそうだ。 米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題は米国の実体経済だけでなく、中国などの新興国にも波及するとの見方が台頭している。米景気が減速しても新興国がけん引して世界需要は衰えないと読み、株価低迷と対照的に上昇していた商品価格も市場の不安を映して株価の動きを気にするようになった。 米国ではバブル膨張による実勢を超えた住宅価格の上昇と株高、過剰消費の反動は避けられない。「成長の中心」は中国などの新興国に移行したとはいえ、国内総生産(GDP)規模で世界の4分の1を占める米国がマイナス成長(リセッション)に陥れば世界景気の足を引っ張り、商品市況への影響も予想される。 昨年から、「米国景気が落ち込んでも新興国への影響は少ない=デカップリング(非連動)」「やはり連動する=リカップリング」という議論が盛んだ。しかし、商品市場から見れば答えはどちらか一つというほど単純なものではない。米景気の落ち込み具合はもちろん、分野によっても温度差は大きい。 例えば主要商品の中で最も景気に敏感とされる非鉄金属。乱高下を繰り返す世界の株式に比べ、値動きは驚くほど落ち着いている。ロンドン金属取引所(LME)の銅3カ月先物は、直近の高値である昨年10月の1トン8315ドルからの調整幅は昨年11月の安値(6317ドル)までで24%。現在の後退より軽い「米景気の失速懸念」を背景に調整した06年5月(8800ドル)から昨年2月(5250ドル)までの下落率(40%)の6割にとどまり、足元では昨年10月の高値も上回った。