外国人投資家


練り製品業界では、今年7月、一正蒲鉾やスギヨ(石川県七尾市)など専業メーカーの多くが最大1割の値上げを打ち出して、スーパーなどと価格交渉を進めている。しかし、最大手の紀文食品(東京・中央)が今回は値上げを見送ったことも影響し、交渉は長期化していた。 こうした状況下で日本水産が値上げ大阪 ビジネスホテルしたことで浸透に向けて大きな流れができると多くのメーカー関係者が歓迎している。日本水産の値上げ表明の同日発足したマルハニチロホールディングスも値上げの検討に入っているもようだ。 ただ、今回の値上げが浸透したとしても、業界が一息つける余地は少なそうだ。主な原料となる米国産スケソウすり身のバリ島が今年の秋漁物で、各等級とも1キロ40円(12―15%)の値上がりとなったためだ。指標の上級品(洋上物FA級)は同380円と過去最高値圏だ。「予想以上の値上がり。今回の値上げが成功しても経営環境の厳しさは変わらない」(中堅メーカー)という。 スケソウダラは欧米でのフィレ(三枚おろし)の需要が依然として堅調だ。一方で、厳格な資源管理を実施する米国は、来年以降も漁獲枠を絞り込む方針とみられる。東南アジアでも、代替となるイトヨリダイなどが取れなくなっており、スケソウ価格が今後、下落する見通しは少ない。 メーカー各社はすでに数年前から、低いグレードの原材料の使用比率を上げて生産コストを抑えるなどの対策に乗り出している。中には「さらに質を低下させることでしか乗り切る方法がない」との声も上がっている。しかし、安易な質の低下は、格安航空券 国内の悪さなどにつながり消費者の練り製品離れを加速させる可能性がある。多くの経営者がジレンマに陥っている。 中小を中心に全国で1000社以上あるという練り製品業者。「経営者は一国一城のあるじ」といわれ、吸収合併などが進みにくい体質だ。今後さらに廃業が加速するのは間違いない情勢だ。業界では9月、大阪市で恒例の品評会を実施した。しかし、開催は今回が最後という。大手メーカーの幹部は「今年の秋は練り製品業界にとって大きな転換点になった。これから長い冬の時期が続く可能性もある」と顔を曇らせた。 世界的に鉄スクラップ価格が上昇している。最大の要因は世界的な鉄の生産拡大による、鉄鉱石や鉄スクラップといった原料の不足だ。しかし日本での値上がりについては、日本車人気が一役買っているとの見方も浮上している。 鉄スクラップ価格は東京市場で10月上旬、1トン当たり3万9000―4万円(指標品、電炉買値)で、1年前より4割強高く、5年前に比べると約3倍になっている。米国内の指標価格も高水準で、今月初めに1トン約266ドルとなり1年前より3割強高い。 鉄スクラップは工場での鉄板の切りくずや、建築物の解体に伴う廃棄鋼材、家電製品や自動車のリサイクルなどで出てくるのが一般的。ANAツアー・スカイホリデー業者はこれを買い集めて、海外留学や高炉に販売したり、輸出したりしている。ただ最近はスクラップの発生量自体が少なめになっている。 理由は様々に考えられる。工場のコスト意識が高まり、スクラップの発生を減らしていることなどが結婚式 招待状されている。ただ業者の中には「日本国内で廃車になる自動車が減っているのではないか」(商社)との見方も出ている。 まず国内の新車販売が振るわない。これは同じ自動車に長く乗り続け、買い替えを先延ばしする人が増えていることにつながる。そうすると、廃車になる中古車が減り、スクラップ発生量の減少につながる、という図式だ。 さらに日本の中古車は海外で人気が高い。ある中古車業者は「トヨタのRAV4など、四輪駆動の大きめの日本車は海外でも高値で販売されており、輸出に回る例もある」と語る。貿易統計で見ると、中古車輸出は今年4月から8月まで10万台前後で好調を維持している。 輸出先で伸びが目立つのはアイメや中東の産油国。ロシアは日本や米国と並ぶ、鉄スクラップの輸出大国の一つだが、最近は内需に振り向けるため鉄スクラップ輸出が減っているという。中古車輸出の増加は日本車人気の高さを示しており、それ自体は喜ばしいことだろう。 ただ回り回って国内の鉄スクラップ需給の引き締まりにつながり、その結果鋼材価格の上昇につながるとしたら痛しかゆしだ。 原油相場の騰勢が衰えない。なかでもニューヨーク市場のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)期近相場は8月1日に過去最高値を更新し、9月12日に1バレル80ドルを超えた。3月から7月までロンドン市場の北海ブレントを下回っていたのがうそかのような「暴走」ぶりだ。 市場ではにわかに先高予測が台頭している。米ゴールドマン・サックスは供給リスクが顕在化すれば年末までにWTIは90ドルに達し、来年は平均85ドルで推移するとの超強気予測を示した。 だが現在の高原相場は持続可能なのか。カギは米国の需要と景気だ。 米国では人口増と所得増で自動車保有台数が増えており、原油価格が高騰してもガソリン需要が伸びてきた。投資マネーが株や債券から原油などの商品に流れ込んでいる背景には、実需の堅調さがある。 それでも米景気が失速すれば、原油需要には間接的に下押し圧力が働く。ばんせい証券の武田真市場調査室長は「米ガソリン消費は小売価格が一時期より下がったにもかかわらず伸びが鈍化しており、個人消費が鈍っている可能性がある」とみる。米住宅ローン問題の影響が個人消費に波及すれば、市場で軽視されている需要減退リスクが注目されるだろう。 原油市場への資金流入を加速させたドル安も、本質的には米景気に対する不安の表れといえる。米金融当局の利下げは一時的に株価を押し上げても、長期的には原油高という副作用を伴って景気下押しリスクにつながりかねない。80ドル近辺の原油高が経済に与える影響は無視できず、長続きは難しいように思える。 信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題が雇用など米国の実体経済に影響し始めたのにもかかわらず、原油や穀物などの国際商品価格は総じて強い基調を維持している。「景気(需要)後退懸念→商品価格下落」という反応が起きないのは、一見不思議かもしれない。背景にはドル安や実物資産の再評価だけではなく、商品ごとの波動の違いがある。 商品市況を見る場合、短期から中長期までどのような周期の景気変動に反応するかによって(1)非鉄金属などの金属類(2)石油などのエネルギー関連商品(3)穀物などの農産物――の3つに分類して考える必要がある。米国のサブプライム問題が実体経済への不安に波及するとともに、国際商品市場では銅や亜鉛などの非鉄、プラチナといった金属価格に下押し圧力が強まった。自動車やIT(情報技術)関連の需要が多く、主要商品の中でも在庫循環など短期の景気変動に反応しやすいからだ。 鋼材や非鉄金属など国内の企業間取引価格で構成する日経商品指数(1970年平均=100)も反落。17種は7月23日に153.744と、1984年12月以来の高水準を付けたが、9月11日時点では143.116と150を大きく下回っている。円高・ドル安の進行もあり、国内景気動向と相関が高い前年同期比の上昇率は7月末の18.5%から、9月11日には9.4%と10%台を割り込んだ。日経商品指数17種の上昇率は昨年5月12日の26.2%から、今年2月に一時10%を下回るまで低下。そこから反転して上昇力を強めていた。しかし現在、日経商品指数が示す国内景気のベクトルは下を向いている。