外国部


市場で日々取引される国産野菜の卸値は乱高下しやすい。特に天候に大きく影響を受ける。年初は暖冬で生育が進み供給量が増加。昨年末に豊作で産地廃棄をしたキャベツやハクサイなどを中心に安値が続いていた。6月も好天で生育が進みキュウリやトマトといった夏野菜が安値で出回り始めた。 ところが7月には曇天や長雨の影響により状況は一変。レタスやキャベツなどの葉茎菜類やトマトやナスなどの果菜類の供給減による社会保険労務士試験が続いた。日照不足による生育遅れや雨による着花不良は収量を減らす。秋以降に台風が上陸した場合も同様のことが懸念され、卸値が高騰する可能性がある。 卸値の乱高下は各方面に影響を与える。不動産投資では卸値の値動きに合わせて店頭価格を上げ下げするのが一般的だ。野菜の価格に敏感な消費者は多く「高値だと売れ行きが鈍ることが多い」(仕入れ担当者)。そのため高騰時は1袋当たりの数を減らして価格を据え置く場合もある。一方で安値のときには、売り上げを確保するために小売店は特売の回数を増やす。 安定した価格で販売するためには、年間を通して契約されることが多い輸入野菜の取り扱いを増やしたいところだ。ただ、現状では残留農薬など中国産に対する消費者の不信感が高まっているため、取り扱いを見合わせる小売店は多い。消費者の「国産志向」は強まるばかりだ。あおりを受けて今年1―6月の生鮮野菜輸入量は40万6039トンと前年同期比22%減っている。 一方、乱高下する卸値に翻弄(ほんろう)されるのを嫌うのは外食産業や食品メーカー。年間のメニューや新商品の開発予定をあらかじめ決めていることが多いからだ。そのため中国産を中心とする安価なタマネギなどを利用する業者は多い。小売店同様、安全性を懸念する動きはあるものの「生産履歴などで安全性が確認できさえすれば取り扱う業者は多い」(商社)ようだ。 8月3日に発生した韓国サムスン電子の半導体工場での停電事故は半導体市場を震撼(しんかん)させた。債務整理の中で最も被害を受けたのは携帯音楽プレーヤーなどに使うNAND型フラッシュメモリー。最大手である同社の供給量が今後減るとの見通しから、一部品種のスポット価格は事故前より5割強も急騰している。 一見、降ってわいたかのような事故だが、こうしたトラブルの予兆はすでにあった。今年から市場でしきりにささやかれるようになったのが「サムスンの現場力が低下しているのでないか」との見方だ。 その根拠の第1は、同社のパソコン用DRAMやNAND型フラッシュメモリーで生産歩留まりがなかなか上がらず、出荷量の伸びが鈍いことだ。価格低迷を受けてより低コストで生産できる最先端品へのシフトを急いでいるが、市場に告知したスケジュール通りに製品が出荷されない。あるNAND型フラッシュの競合メーカーは「サムスンから製品を調達できないお客が『何とか製品を回してくれ』と泣きついてくる」と困り顔だ。 DRAMとNAND型フラッシュで同時に最先端品に移行する難しさはあるだろう。サムスン関係者は「トップダウン経営の弊害で現場がかなり自動車保険している」と打ち明ける。サムスンでは「上司の指示には絶対服従」の面が他の韓国企業にも増して強い。実際の力量と乖離(かいり)した厳しい目標に現場が追い付いていないフシがある。 現場はとりあえず成果を強調するため「こんな製品を開発しました」と華々しく発表はするが、実際にはなかなか量産化に至らないという図式だ。「部下に権限委譲をしないから現在の経営陣に続く優秀な人材が育っていない」(サムスン関係者)との指摘もある。 サムスンは1990年代後半のDRAM相場の低迷期にも果敢な投資を続け、日系メーカーから「DRAM世界一」の座を奪い取った。現在はNAND型フラッシュなども含めた半導体メモリー分野で世界一の大手企業になった半面、多くのひずみも表面化してきている。その象徴の一つが今回の停電事故といえるのでないだろうか。 今年前半の半導体メモリーの価格低迷を受け、サムスンは97年の通貨危機以来の大規模なリストラに乗り出すことを決めた。こうした一連の対策で現場力を立て直せるのか。サムスンの「真の敵」は市況でなく同社自身にある。 人気のあるミュージカルのチケットは手に入れるのが難しいものだ。なかには金券ショップまで足を運び、定価の数倍もするチケットを購入した人も多かったはず。だが最近は「キャッツ」など有名演目のロングラン公演で客離れが進み、金券ショップの店頭で額面割れするケースも目立っているようだ。 例えば、新橋や新宿など東京都内の金券ショップでは劇団四季の代表作「キャッツ」や「ライオンキング」のS席ペア(定価2万3100円)が1万9600円から。どちらも長期公演で知られる劇団四季の人気作。「以前は定価を大きく上回る高値で売られていたが、最近は需要が一巡。安値でしか買わないリピーター客が主流になった」(新宿の金券ショップ)。 帝国劇場で20周年を迎える「レ・ミゼラブル」もA席(同9000円)などが定価の半額で売られている。最近は最新作にも同様の傾向がみられるようになった。アンドリュー・ロイド=ウェバーの最新作「ウーマン・イン・ホワイト」のS席も定価の3割安で店頭に並んでいる。米国ブロードウェイミュージカル「ヘアスプレー」や「ウィキッド」なども定価割れの状態だ。 ミュージカル以外でも来年の追加公演が決定した「ドラリオン」など人気公演のチケットの販売価格も弱含んでいる。 需要低迷を受けて金券ショップでの買い取り価格も下落しており、「最近は持ち込んだ顧客が期待していた値が付かないといってがっかりされることも多い」(新宿の金券ショップ)という。逆に言えば、高価なイメージのあったミュージカルなども金券ショップを使えば手に届く娯楽となりつつあるようだ。 中国の銅地金輸入が止まらない。本来の消費ペースを大幅に上回る勢いで輸入されており、中国国内需給が大きく緩和。国内価格の指標となる上海期貨交易所相場は、国際指標であるロンドン金属取引所(LME)の相場水準を大きく下回る状態が続いている。 「今年に入っての中国の輸入量は異常ですよ」。市場関係者は口をそろえる。 2007年の中国の銅消費量は430万トン程度と予測されている。これに対して供給は国内生産量が330万トン。輸入で残りの100万トンを補う形が想定され、需給はほぼ均衡するはずだった。 ところが、ふたを開けてみると、今年に入っての中国の銅輸入ペースは市場予想をはるかに上回る勢い。1―6月の輸入量は89万―90万トン。生産と消費の量はほぼ市場予想通りのペースだったため、「半年で既に20万トン前後の供給過剰になっている」との声も聞かれる。 中国国内の需給緩和により、LME相場と上海相場の格差が拡大している。25日時点のLME銅3カ月先物相場は1トン7778ドル。上海相場の期近をドル換算し、輸入税などを省くと約7390ドル。上海相場が390ドル程安い計算になる。 中国には需給が大幅に緩和していても輸入をやめられない理由がある。近年の非鉄価格上昇を見て、中国の輸入業者は自由貿易協定(FTA)を締結するチリなどの生産会社と長期契約を結んでいる。そのため、どんなに国内需給が緩くても決まった量を引き取らなくてはならない。 輸入業者はLME相場を基準とした価格で銅地金を買い、中国内ではほぼ上海価格で売る。また、中国内の製錬所はLME相場に連動する価格で原料を買い、生産した地金を上海価格で売る。市場間の価格差により、現地の輸入業者や製錬所は多額の損失を被っている。 とはいえ、市場原理としてはLME価格と上海価格、つまり国際価格と中国内価格は最終的には同水準に収れんしていく。市場の話題は「それがどうやって起こるか」だ。足元では2通りの予測が出ている。 1つは輸入業者の収益悪化で長期契約の履行が不可能になり、輸入が激減する。もう1つは経営体力のない製錬所の減産や操業停止だ。どちらも中国市場への供給を絞り、国内相場を押し上げる材料となる。