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現時点ではこうした事態が起こりうるのか不明だが、銅市況を読む上で注視すべきポイントの1つといえる。
世界的に乳製品価格が高騰している。世界の需要に供給が追いつかないためだ。日本国内では飲料用牛乳を筆頭に生産過剰が問題視され、「乳製品は余っているもの」という認識が強いが、実は国際価格の高騰はすでに日本の家庭にも波及している。いずれ国内の乳価にも反映しそうだ。
「今年はともかく、来年は上げてもらわないとスキャナが続かない」。牛乳生産者団体の幹部はため息をつく。生産者と乳業メーカーは年に1回、その年の飲料用牛乳と、バター、チーズなど加工向け牛乳の価格を決める交渉を行っている。今年はまだ決着していないが、生産者が本当に心配しているのは来年だ。
穀物を中心とした飼料価格が高騰、酪農家の経営を圧迫しているからだ。今年は持ちこたえられても、来年の乳価が上がらないと「廃業する酪農家が増える」見通しだ。国内酪農家は高齢化が進んでおり、後継者の問題もある。
今のところ、乳製品の国際価格上昇が国内価格にも波及した例はチーズに限られている。六甲バターは8月から家庭用チーズを値上げする。クーリング オフに並ぶ冷蔵ピザの大手も、昨年に引き続き値段は据え置いたまま内容量を減らす実質値上げに踏み切る。今年は昨年より削減量を増やすという。
しかし、すでに「次の値上がりはバターか」ともささやかれている。国内在庫が減少しているためだ。バターは年末に需要が集中するため、市場の関心も高まりつつある。
国内では生産過剰の農産品の代名詞でもあった牛乳。牛乳は安いもの、余っているもの、といった日本人の先入観が覆される可能性も出てきた。
木造住宅などに使う合板で、輸入品と国産品の価格が逆転した。輸入品の指標となる予備校型枠用(12ミリ厚)の東京地区卸値は現在、1枚1150円程度。一方で、国産品の代表品種である針葉樹構造用合板は1240円前後だ。
これまでは輸入品が店舗デザインよりおおむね100円以上高く売られるのが通例だった。一時的に国産品と輸入品の価格が同程度になったことはあったが、逆転して90円もの差が付くことは過去になかったという。
輸入品はインドネシアやマレーシア産のラワン材を使っており、原料コストが国産品の主原料であるロシア産丸太より高い。さらに、ラワン合板は節が少なく、表面が平滑で施工しやすいことから、100円以上高くても輸入合板を選ぶ建築業者が多かった。
価格逆転の背景にあるのは輸入品の需給関係の緩みだ。昨春から丸太高をきっかけにした合板価格の高騰で、日本向けの輸出意欲が高まった。「港頭在庫が積み上がり、処分売りが先行する展開が続いている」(建材商社)。一方で国産合板は、国内メーカーが価格維持のために、7月から減産に踏み切るなど需給引き締めを図っている。
需要構造の変化もある。かつては輸入合板が値下がりし、国産合板との価格差が縮まれば、家庭教師が積極的に輸入合板に切り替えた。しかし、最近では需要の切り替えが少なくなった。輸入合板の代表であるコンクリート型枠用は、本来建築の基礎工事などに使う商品だが、かつては住宅用にも多用されてきた。しかし2003年7月の建築基準法改正でハウスシック症候群の原因とされるホルムアルデヒドの住宅内の発生量が規制された結果、一般のコンクリート型枠が住宅用に使用しにくくなった。
「住宅用の利用が減り、コンクリート型枠用の需要自体が少なくなった。これまでと同じ量の輸入が続けば、需給緩和が解消されず、相場も反転しにくい」(問屋)との声も出ている。
人材派遣料金は上昇基調が続いている。景気拡大を映して企業の間で事業の拡大が広がる一方、レーシックや団塊世代の大量退職などを背景とした人手不足は常態化。人材会社では企業からの求人数が高水準を維持する一方、働き手確保が間に合わない。
一般事務職の派遣スタッフを活用する企業が人材会社に支払う料金は現在、首都圏で1時間当たり2050―2400円。4月以降、派遣スタッフの契約更改の集中に合わせ人材各社の企業各社に対する値上げがじわじわと進んでいる。1年前と比べると中心値ベースで上昇率は14%に達した。
値上げ浸透の背景には料金よりも人材確保を優先する姿勢が企業の間に広がっていることがある。人材大手のリクルートスタッフィング(東京・千代田)では首都圏の営業部隊に対し、5月から利用企業側との交渉で派遣契約1件値上げが認められるごとに、1000円のインセンティブを支給する取り組みを実施したところ、1カ月間で65件の料金引き上げを達成したケースもあったという。追い風に乗って収益を上げる好機とばかりに人材各社の営業展開も力が入っている。
料金引き上げと並行して、働き手の確保も大きな課題だ。フジスタッフでは主婦の活用に力を入れる。出産・育児休暇から復帰した社員が仕事と育児を両立できるように、「育児サポート派遣」と銘打って企業側に提案している。社員が育児のために早めに帰宅したあとを、同社が派遣するパートタイムのスタッフが引き継ぐスタイルだ。派遣スタッフも正社員としての勤務経験がある主婦層を活用。「既婚女性の就業率向上にも大きく貢献できる」(フジスタッフ)として企業に積極的に売り込んでいる。
こうした人材派遣市場の活況は一過性ではないとの見方が有力だ。長時間労働の見直しや、ワーク・ライフ・バランス(仕事と私生活との調和)確立へ向けた取り組みは、少子高齢化へ向かう日本の長期的な課題でもある。それに伴って派遣スタッフの活用も一段と広がるというのが人材各社の見通しだ。単なる雇用の調整弁から、雇用多様化の担い手へと、人材派遣の役割も変わろうとしている。
レトルト食品の包装材などになるアルミニウム汎用はくは4月、国内の大口取引価格が1割上昇した。需給引き締まりを背景に、原燃料高を理由とするメーカーの値上げが満額で浸透した。しかし、各社は値上げ成功にも心から喜べない様子だ。
実は汎用はくの需要は低迷している。需給の引き締まりは、同じラインで造る特殊はくの好調が支えているだけだ。特殊はくはアルミ純度が高く、薄型テレビなどデジタル家電に多く使うコンデンサーの主材料。アルミはくメーカーは同じ圧延機で両者を造り、需要に応じて生産比率を変える。
このため「特殊はくの需要が減れば、アルミはく全体の需給はたちまち緩む」。各社の浮かぬ顔の理由はここにあった。
少子高齢化などで食品消費が伸び悩み、汎用はくの需要は低迷が続く。一方の特殊はくはデジタル製品の普及を見込んだコンデンサー各社の増産を受け、引き合いは好調だ。
日本アルミニウム協会(東京・中央)によると、5月の汎用はく(食品用)出荷量は前年同月比2.0%減。一方の特殊はく(コンデンサー用)は1.7%増えた。
もともとアルミはく業界はメーカー数が適正より多いとされ、供給過剰が慢性化していた。特殊はくの需要が立ち上がった2005年ころまで、不採算のメーカーが多かった。過去には汎用はくの値上げ浸透を狙って談合し、公正取引委員会の指導を受けたこともある。
足元では需給が締まり値上げも通りやすい。ただ08年の北京五輪開催を境に特殊はくの需要が一服し、再びアルミはく全体の需給が緩むとの見方もある。各社は「元のもくあみ」への警戒感を強めている。
プラスチック製品などの基礎原料となるナフサ(粗製ガソリン)が値下がりした。ナフサから造る合成樹脂のメーカーが今月打ち出した製品値上げの前提が崩れる可能性も出てきた。4月に表明した樹脂値上げはナフサ高が同時に進みメーカーには追い風となったが、今後の交渉では需要家サイドの抵抗が強まりそうだ。
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